ブラック・ライヴズ・マター 銅像が壊される?
いま黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える運動、いわゆるブラックライブスマター運動が全世界で加熱しています。
この機運の高まりが人種差別に関心を持つきっかけになった人も多いはず。
こうした人種差別撤廃運動の矛先が、過去の偉人の銅像の破壊や撤廃に及んでいるというニュースを耳にするようになりました。
例えば、ニューヨークにあるルーズベルト元大統領の銅像は、馬に乗って両脇に黒人と先住民の男性を従えたデザインのため人種差別的と批判され撤廃の運びとなりました。
イギリス南西部のブリストルでは、豪商エドワード・コルストンの銅像が海に投げ入れられました。貿易会社「王立アフリカ会社」の一員で、約8万人の男女や子供をアフリカ大陸からアメリカ大陸に奴隷として送り込んだとされているからです。
民意を反映するためだからと言って、銅像を撤廃したように、歴史上の事実をまるで無かったことのように偏った認識で捉えてしまうことにも、違和感を感じる人はいるでしょう。
そんな折、イギリスの大英博物館がとった行動はこうです。投げ捨てられた銅像を回収し、ブラックライブスマター運動のプラカードと共に博物館に収蔵することにしたのです。
侵略の歴史を多く持つイギリスが、自らこのような冷静な判断ができることは、賞賛できるのではないでしょうか。